バイオガスプロジェクト活動状況


東北地域づくり協会「汚染されたバイオマスのメタン発酵によるエネルギー利用の研究開発」の終了
本プロジェクトは、平成24年度建設事業に関する技術開発支援テーマに採択され、201211月より20149月まで活動をしてまいりました。これまでの関係者の多大なご支援、ご協力の下大きな成果を上げることができ、感謝申し上げます。成果内容は会員専用ページに掲載しました。

東北地域づくり協会「汚染されたバイオマスのメタン発酵によるエネルギー利用の研究開発」の報告会 (2014101日)

河北新聞社、一般社団法人東北地域づくり協会および東日本大震災復興支援技術フォーラム実行員会の主催による「東日本大震災復興支援技術フォーラム」が10月1日仙台市内で開催されました。定員300名の会場はほぼ満席で、10件の技術発表がありました。当協会は東北地域づくり協会の助成による「汚染されたバイオマスのメタン発酵によるエネルギー利用の研究開発」について報告しました。

放射性物質による汚染は、土壌や農作物だけではなく道路や河川堤防などの雑草にも広がっていますが、除草作業をしても、焼却処理ができないことが問題となっています。当協会は、こうした放射能汚染されたバイオマスをメタン発酵処理によりバイオガスを製造し、それをエネルギー燃料として利用する実験と発酵過程で発生する消化液中の放射性物質濃度の測定などを実施しました。その結果、バイオガス中には放射性物質は移行しないことや消化液中の放射性物質の濃度は低く農地還元可能であることなどを確認しました。この技術により残渣だけを処分することになり、放射性物質の濃縮・減容化技術として有効であることを報告しました。また、実際の実験に取り組んでいただいた大沼豊氏御夫妻、下小国区民会会長佐藤好孝氏、当協会会員小谷津洋康氏、山下六男氏が参加されました。

メタンガス発酵プロジェクト現地作業状況 (2013824日)
8月の霊山メタン発酵プロジェクトでは牛糞から得たバイオガス(メタン濃度56%)でガソリンエンジン発電機(ホンダ製、出力450W)を稼働させました。
くずの葉の分析結果もでてきました。キャベツよりも高カロリーですので、メタン発酵原料としても利用価値は高いです。現在、くずの葉の発酵試験(毎日、一定量を投入)を行っています。

ガソリンエンジ゙ン(手前)とガスタンク(後方3基)

メタンガス発電で灯した照明


メタンガス発酵プロジェクト現地作業状況 (2013728日)

バイオガス製造実証装置では、処理量が増えて来てガス発生量の増加が見込める事と、このサイズの処理装置でもガス発電が十分可能であることを示すため、ガスタンクの増設(約3m3×3基)とガスエンジン発電機の対設置をおこないました。今回試運転をおこない、ガス空気の流量調整を行い成功裡の内に終了しましたました。
ガスタンク増設工事の状況 全員汗だくです


メタンガス発酵プロジェクト現地作業状況 (2013126日)
バイオガス製造実証装置では、生ごみとあんぽ柿の2つの系列から消化液の引き抜きを実施し、専門機関に放射能濃度の測定・分析を依頼しました(写真は消化液引き抜きの様子。投入口から見たメタン発酵槽内部の様子)。
あんぽ柿は平均35Bq/kgの放射能濃度のものを昨年12月より、日量平均1.5kgを投入し始めたばかり。生ごみ系列は昨年8月から日量2kg程度投入してきており、上澄み液と発酵残渣のそれぞれの測定・分析を継続することで、メタン発酵工程における放射性物質の挙動を確認していくことにしています。
今春からは、刈草、落ち葉、茶葉などの系列を新たに設け、それぞれデータ集積を測っていく予定です

消化液引き抜き

投入口から見たメタン発酵槽内部

メタンガス発酵槽実験装置の前で


メタンガス発酵プロジェクトが東北建設協会の技術開発支援テーマに正式決定
  (2012111日)
平成24年度建設事業に関する技術開発支援テーマ募集に申請しました当協会の申請が、”1023日に第三者による技術開発選定委員会が開催され、厳しい財政状況の中、厳正に審議した結果、貴テーマ「汚染されたバイオマスのメタン発酵によるエネルギー利用の研究開発」が、総合的な評価により、採択となりました。”との書面通知がありました。

当協会は福島県下小国地区協議会の会長である大沼豊氏と、放射能で汚染された稲わら、雑草、食品廃棄物、出荷できない農作物などの有機資源をメタン発酵技術によりバイオガス化し、回収したバイオガスを有効活用(熱、電気に変換))するプロジェクトを進めてまいりました。以下にシステムの基本構成を示します。


●メタン発酵PJ活動20121023日)
メタン発酵PJは発酵槽を2系列にするなどして、種々の有機物を投入出来るようになりました。これからは柿の実も投入する予定です。メタン発酵装置はこれから冬支度で、発酵槽を保温するためのヒータを設置しました。これには電気を使いますが、この電気は家庭の使用済みてんぷら油などの廃油を燃料としたディーゼルエンジンで発電します。当日は地元の炭でサンマを焼いて、ご飯はメタン発酵で出来たガスを燃料とした炊飯器で炊いたご飯で昼食をとりました。さんまの頭などの残りはまたメタン発酵槽のエサです。まさしくバイオマス自立生活です。

2系列となったメタン発酵槽

地元炭で焼いたさんま
 うまい!

メタン発酵ガスで炊いたご飯
美味しい!


霊山メタンガス発酵プロジェクトの状況 (2012817日)
前回装置の設置が完了したと報告しておりましたが、今回ガス発生の調整、太陽光パネルの回路調整等の作業をおこないました。一連の作業の写真を以下に示します。


将来は、「下小国地区再生村」と成るよう関係者一同頑張っています。